お知らせ・小田原歯科便り

2015年10月

2015年10月の記事一覧です。

フッ化物


こんにちは、

小児のむし歯予防、成人の歯周病予防に努めている鹿児島市小田原歯科の

副院長の前田です。

 

最近、朝晩が冷え込み、秋も深くなりつつある今日この頃ですね。

 

 

さて、今日はフッ化物(フッ素)についてお話させていただきます。

 

フッ化物といえば、最近はテレビ等でも取り上げられることもあると思いますが、

何を隠そう、むし歯予防に有効な頼れるヤツなのです。

 

そもそもフッ化物って何?

 

フッ化物は食品、水、土壌といった自然の中に多く存在する物質です。

食品中のフッ化物についてみますと、お茶、ビールにフッ化物が多く含まれています。

また、フッ化物は海水中に多く含まれているため、魚介類も多くフッ化物を含みます。

このように身近に存在する物質です。

 

このフッ化物がどのようにむし歯予防に貢献しているかといいますと、

 

まずは、むし歯予防について復習になりますが、

①間食の制限

②歯磨き

③歯の質を強くする

④キシリトール

などがありますが、この中の③番目がフッ化物の役目になります。

 

歯の質を強くするとは、フッ化物が歯の表面に存在するエナメル質に取り込まれる

ことによって、エナメル質そのものが虫歯菌の出す酸に強くなるということです。

 

 

また、他にも

再石灰化の促進というむし歯予防に非常に有益な作用もあります。

歯は、むし歯菌が出す酸によって歯の表面が溶かされ、やがてむし歯になります。

しかし、唾液や歯垢(プラーク)中にフッ化物があると、溶かされた歯の表面は再び修復されて、

元の健康な歯に戻ることができます。

その作用を再石灰化と呼び、フッ化物はその再石灰化作用を速め強化することができます。

 

さらに、

フッ化物はむし歯菌が酸をつくるのに必要とする酵素に作用して、酸の産生を妨害します。

 

以上のことから、フッ化物はむし歯予防に非常に有効な物質といえます。

 

 

具体的にフッ化物の利用には、次の3つがあります。

①フッ化物配合の歯磨剤(歯磨き粉)を使う。

②歯科医院にて定期的(3か月に1回)フッ化物を塗布する。

③フッ化物の洗口剤を使う

 

①の場合、市販の歯磨剤でかまいませんが、歯磨き後のうがいを極少量のみず(ペットボトルのキャップ1杯分)

で1回のみ行うという方法をとらなければいけません。

これはできるだけ、お口の中にフッ化物を残留させる必要があるためです。

 

②の場合は、歯科医院専用の高濃度のフッ化物を1年に3~4回塗布するもので、歯科医院でのみ行う事ができます。

 

③の場合はフッ化物の洗口液を約1分間ブクブクと含み吐き出すもので、幼稚園や学校またはご家庭でもできます。

 

 

以上の3つを2つ以上取り入れて頂ければ、むし歯予防効果が飛躍的にあがりますので、ぜひ皆さんも取り入れてみてください。